2009年4月12日。
この日は、奈良県でおいしい焼き肉をお花見をしながらみんなでワイワイと食べて楽しく過ごすイベントがあるらしい。
 同時刻、福島県の某所は・・・・・・特にワイワイすることもなく静かな時間が流れていたのであった。

 築40数年の古い家の二階のコタツに、そう、4月なのにコタツに入って悶々としている中年男が1人。

「悶々(もんもん)」

 なんというか「中年」でしかも「悶々」で「コタツ」に入っている段階で、かなりオワタ状況である。
なんといっても「春」という生きとし生けるもの全てが、それまでの厳しい冬から解放されて「さあ、みんなで高々と飛び立ちましょう〜」という季節に、「暇をもてあまして悶々」としているのはなんと不健全なことか。

 若い女性が春にコタツで悶々・・・ならば、これからの展開は、3流エロ小説かもしくは一気にそれまでの女性の半生と内面を深く考察するような純文学の方向に進んでしまうのかもしれないが、オヤジ・・・では正直展開が期待できないのだ。

「このままではいけない。」

 そのオヤジはやわら立ち上がり、「ウモ〜〜〜〜〜!!」と言いつつ、パジャマを投げ捨てTシャツを脱いでジーンズをよろめきつつ履いて、よくわからない黒いTシャツに着替え靴下を履き、ジャンバーを羽織ってガレージへと向かった
のであった。

 ガレージではK-3が幌を外された状態で置かれていた。
男は西の空をキッっと目ヤニの付いたマナコで睨み、「雨降るかもしんない」と小さくつぶやいた。
 そして慣れた手つきで幌を取り付け、デイキャンプセットの入ったバックとお米と水を無造作にK-3に載せ、イグニッションキーを回してブレーキーペダルをけっ飛ばした。

 K-3は軽く咆吼し、すぐにアイドリング状態になった。
男はゆっくりとした動作でシフトをリヴァースに入れて、近所の「スーパーキクチ小川町店」に向かったのだった。


 しかし、走行中、男はある異変に気がついた。

「左のフェンダーがやたらブレているな・・・」

 すぐさまK-3を減速させて走る。
男は、少しイラっとしながらトリップメーターを見たのだった。

そして、「7600をちょっと超えたか・・・・。長持ちした方なのか??」と心の中で自分に問いかける。

 ああ、でもミルキーさんは、結構早めに折れてたような気もするなぁ・・どのくらいの走行距離で折れたんだろうか・・・と目の前の不安から注意をそらすように、若干本題から外れたことを止めどなく考えてみるのだった。

 そしてK-3ではなく、MC-1でデイキャンプになるかもしれないな。っと男は思った。

しかし、すぐさまその考えは成り立たないことに気づいた。
「今回は電磁ポンプでないといけないのだ。電磁ポンプでなければ・・・」と男は心のなかで反芻するようにつぶやいた。
 ガレージからK-3を出したときに、今回のデイキャンプをまとめた形でHPに掲載しようと決めてたのだ。
そのためにはある程度画質が得られるデジカメを準備しなければならない。そこで予備バッテリーも併せて持ってきてたのだった。

 今ここで車両を変えてしまっては、掲載する構成も変えないといけない。
男にとって、それはなんだかそれがとてつもなく億劫な作業のように思えたのだった。
 とりあえず、フェンダーステーに関しては応急措置をしてしまえばいい。なにか適当な金属板で仮固定が出来れば良いのだから・・・。と思い直すことにしたのだった。

 やがてスーパーキクチに到着し、男はK-3から降りて左のフェンダーステーを確認した。
かなり肉厚が薄くなった部分が疲労破壊した感じである。
 溶接のためかカットされた鉄板部の一番薄い所は1mmも無いくらいであった。
これでは折れてもしょうがないのかもしれない。
 男は深くため息をつき、当面は応急措置をしたとしても注意して乗らないといけないなぁと思ったのだった。

 さて、スーパーキクチには買い物に来てたのでその用事をさっさと済ませないといけない。
男の目的は特売の「味付け牛カルビ」の購入であった。
 このお肉は心ときめく2つのキーワード、すなわち「牛」と「カルビ」のコンボ技に、「味付け」のとどめを刺したような「そこまでやるか」的存在である。
 しかも、大抵のスーパーで販売されていて、かなり安いのである。
安い理由はおそらく、定型に切られた肉の余りの部位を使っていること、味付けといういわゆる「漬け」状態で加工されているため、精肉といってもやや日持ちするので歩留まりが良いのがあげられるのではないかと推測しているのだが定かではない。

 しかし、このお肉はものすごい欠点がある。
サラダオイルをフライパンに落とし焼き肉状態で炒めると、なんとも「臭い」肉汁がでるのだ。
 これがまあ、イタダケナイ。安さに釣られて買って痛い目に遭う典型的な食材なのだ。

 そもそも、これがバカウマなお肉だったら、この肉から少し離れて鎮座している「牛カルビスライス 100g200円」クラスのお肉が売れないではないか。
 さらに、その先にある「牛カルビスライス (国産) 100g350円」なども、単なる高いだけのニギヤカシ的な存在で終わってしまう。
 世の中そんなにアマく無いのである。

 当然、「おうちで焼き肉」の場合には忌み嫌われてしまうような肉なのだが、今回、あえてこのタブーに挑戦したいと思った。
 それに、今回はこちらも丸腰で戦うわけではない。秘密兵器があるのだ。

 しかし、せっかく「スーパーキクチ」に来たのだけれど、お目当ての「フライパンで焼くとこの世の終わりがやってくる牛カルビ焼き肉用味付け」は売ってなかった。
 いたって、ふつーな精肉が陳列されているではないか。あ、でも良く目を凝らしてみるとその隙間に「コテッチャン」や「牛タン塩味」などが並んではいた。
 が、男が目当てにしてた牛カルビは無かった。

 これは、スーパーキクチ小川町店店長である鈴木長一(53)の陰謀によるものなのか?それとも購入した主婦からクレームを受けてしまい、おもわずビビってしまった精肉担当の吉野孝子(46)のヘタレな結果なのか・・・・。
 しばらく精肉売り場の前でウロウロする男。
それを12mほど離れたおかし売り場から監視する私服警備員の笹岡為三(62)が目を光らせて「オレの長年の経験からして、あの男はかなり怪しい」とばかりに少し前から凝視しているのだが、男は「ニク、ニク、ニクナイ、おでのニク、ニク・・・」と一向に笹岡の視線には気づいていない。

 「しかたない、、国見町のキクチにいくか」と男は心の中で決心し、スタスタとスーパーキクチ小川町店を出たのであった。

 K-3を走らせてすぐ、思いっきりガタガタと振れている左フェンダーの存在が凄く気になってしまった。
男はハンドルを切って、自宅に戻った。

そこで折れている部位をアドエスのデジカメ機能で接写撮影し、ブログを更新した。

 その後、ガレージに転がってた適当な金属板に穴を開けてフェンダー固定用のナベネジを通せるようにして、それをステーの代りにフェンダーに固定し、さらのその本体をステーにインシュロックタイで固定したのだった。
 手で動かしてみると容易に動くものの、走行時の振動にはある程度耐性が出てくると考えた。

しかし、このステー。
 走行時の振動もそうであるが、走行風の影響も結構半端無いのではないか?と男は考えた。
最近建築確認申請をする上で、壁面の地震力と風圧力の耐力に関して少し知識を得ているのでそんなことも思ったりしてたのだった。

 これでデイキャンプをしにいくのは少し気が引けたが、今回はK-3じゃないと始まらない企画であるの心配するのを止めて、K-3に工具一式を積み込んで「スーパーキクチ 国見町店」を目指したのであった。

 休日で昼時を少し過ぎた「スーパーキクチ 国見町店」は、さほど人が多くない状況であった。
男は真っ先に精肉売り場を目指した。
 そして目的の「牛カルビ」を発見する。

しかし、なんということだ。思ってたよりもかなり安かった。100g100円で販売されており、一番量の少ない牛カルビを選ぶと222gで222円だった。
 今日の昼飯はなんて安上がりなのだ!と男は少しコーフンしつつレジに向かった。
途中、酒売り場で最近CMが流れているノンアルコールビールが128円で売っていることに気づく。
 安いなぁ・・・と感動しつつ、1本購入する。
焼き肉を食いながらコーラでは味気ないし、かといって本当のビールでは飲酒運転になってしまう。
ノンアルコールビールならば、まあ格好は付くだろうという判断だった。何の格好なのかとかいうつっこみは無しにしてほしい。たぶん、試しに飲んでみたかっただけなのだと思う。

 さて、レジに肉とノンアルコールビールを差し出すと、「こちらの商品、半額になります」と小太りで明らかに眉毛を描いているチェッカーの若い女性が言ってきた。
 どことなく和製ビヨンセの渡辺直美に似ている。

 ええ?半額!?この肉が・・・・・と絶句する。
100g50円なんですよ!222gの肉なのに111円なんですよ!!どんだけデフレなんですか!?と思考が混乱してしまう。
 結局、
・キリンフリー350 128円
・牛味付きカルビー焼き肉用(小)111円
合計239円を支払ってスーパーを出たのだった。

 今日のランチはノンアルコールのビール付きで239円かよ、、、と思いつつK-3に乗り込み、お花見のポイントである「高倉ダム」へ向かったのである。



とまあ、この辺は誌面に出ないイントロダクションなのである。
ここからはBe-PAL風に構成するのだっ!


   

2009.4

レジにて半額値引きに救われた
ダムサイトでのソロ花見


 地元のダムサイトは、知る人ぞ知る「お花見ポイント」で、近年の出店と人が桜の木よりも多すぎていったい何を見に来たのか判らないという悲しい状況から解放してくれる大切にしたい場所だ。

 ここでは、静かに流れる時間の中で遠くに野鳥の鳴き声を聴いたりしながら心を解放して桜の花を眺めることが出来る。

 そんな場所にマイクロカーでさっと出かけて、イスとテーブルを広げてスマートなデイキャンプをしたらさぞ楽しいのではないか?ということで、光岡自動車から限定販売されていたマイクロカーK-3にデイキャンプ用品を積み込んで楽しんで来た模様をレポートしたいと思う。

ダムサイトにたたずむ光岡自動車製マイクロカーK-3
 阿武隈高地の難所であった矢木沢峠を背にするように「高倉ダム」は作られている。
 水無川の上流に位置し、桜や紅葉などが四季を通じて楽しめる観光スポットでもある。
 駅から車で15分ほどでたどり着けるこのダムは、ややマイクロカーでは上るのがきつい1km弱の坂道の先にあるのだが、K-3 でさえも時速30km/hまで落ち込んでしまう急坂をいくつも越えて行かなければならない。
 その為、やや軽めなウエイトローラーなどのセッティングでこの坂に望みたいものだ。
 ダムサイトにはいくつか車を駐車出来る場所があり、すでに数組の家族連れの先客がいた。

 しかしまだまだ駐車する場所はいくらでもあるので、気に入ったロケーションの駐車場に停める。

 普通の車では単なる駐車にしか使えないような小さいスペースでも。マイクロカーにとっては充分なデイキャンプサイトとして使うことが出来る。

 わずか50ccの乗り物にこれだけの道具を積載して走れるのはマイクロカーの特権であろう。
原付スクーターなどでは、パッキングに気を遣う必要があるし、ジャイロでもキャリーボックスなどが必要になる。
 K-3の場合は、運転席の脇のスペースでこれら全てを苦もなく積載できる。



1.BE-PAL    2.レギュラーコーヒー  3.ストーブ  4.水   5.割り箸   6.チャッカマン
7.ノンアルコールビール   8.味付き牛カルビ    9.フォーク&スプーンセット
10.コッヘル2セット   11.シェラカップ    12.折りたたみイス   13.アドエス  14.炭火コンロ
15.テーブル

コッヘルで炊飯する際は水の分量を多めにするのがコツ


K-3は、シートのサイドパッドを外すとキャブレータにアクセスできる

作業に充分な空間があるのも良いところ
 食事の準備は、まずテーブルとイスの設置から始まる。

 地球へのローインパクトな調理を考えると、火器はテーブル上で使いたい。
 そうなると、マイクロカーでのデイキャンプとはいえテーブルは必要だ。
 そんな時に便利なのがこの「キャプテンスタッグのロールテーブル」
 上の写真のように丸めて丸めてコンパクトに収納しておいて、必要な時にすぐに展開して使うことが出来る。
 アルミ製なので非常に軽量であるのも優れている所である。
 また、テーブルを設置するためには出来るだけテーブルがぐらつかない水平な場所にテーブルを設置する必要がある。
 このテーブルの足はアジャスト出来ない構造のため、必要に応じて平たい石などで高さを調整して使ってほしい。

 そして調理の準備は炊飯から始めなければならない。
なぜなら米を充分に給水させるには時間が必要だからだ。
 そして、この後ガソリンや炭の準備で手を汚す可能性が高くなるので、その前に素手で作業しなければならない米を研ぐ作業等を済ませたほうが無難でもある。
 
 コッヘルでの炊飯は大きさが小さいこともあり、吹きこぼれを考慮して少し多めに水を入れるのがコツだ。
 家庭での炊飯ならば米1に対して1.2の水の量になるが1.5程度入れておいたほうが良い。
 たとえ炊飯に失敗したとしても固いご飯は食べられないが軟らかいご飯ならばなんとか食べることが出来るからだ。

 ちなみに、アウトドアでのストーブにはコールマンの無鉛ガソリンが使えるタイプを愛用している。
 ホワイトガソリンは意外に入手が面倒なのと保管もそれなりに注意しないといけないためである。
 ガスストーブの場合、まさかガスを忘れる人は居ないと思うが残量が充分でなかったりすることはある。
 これはホワイトガソリンを使うストーブも同様であるが、無鉛ガソリンが使えるタイプだとこのように車から直接ガソリンを給油できるので非常に便利だ。
 K-3の場合には、写真のようにシートのサイドパッドを外せば、すぐにキャブレータにアクセスできるので、燃料ポンプを電磁ポンプに換装しておけばイグニッションを10秒ほどひねるだけで直接ストーブに1回分の調理に充分なガソリンを給油出来るのだ。
 この際、キャブレータから燃料ホースを外すときにガソリンがこぼれる場合があるので充分注意してほしい。
 ちなみに、ホワイトガソリン専用と無鉛ガソリン共用のストーブの違いは本体の色だけではなく、大きめのジェネレーターにも現れている。
 無鉛ガソリン共用タイプのストーブは、精製されていないガソリンを燃焼するためにガソリンに含まれている添加物も併せて燃焼させるためにこのジェレレータが必要なのだ。
 おかげで混合ガソリンでも問題なく使用することが出来る。


 さて、焼肉を堪能する上で、やはり飲み物にもこだわりたい。
 通常のキャンプであるならば、車の運転を気にすることなく夜通しビールでもウイスキーでも楽しめるのだが、そこはデイキャンプの悲しいところで数時間もしないうちにマイクロカーを運転しなければならない。
 しかし、焼肉にコーラなどのジュースはなかなか合わないので通常はお茶になるのだが、お茶をすすりつつデイキャンプというのもなんともジジムサイし、そっち系はしっかりとコーヒーを準備しているのである。
 そこで、今回は最近発売されたばかりのノンアルコールビールをチョイスした。
 「キリンのFREE」は、アルコール度数が0.00%という限りなくゼロアルコールなビール風味飲料である。
 当然小学生でも?飲めるのだ。

 このFREEの風味は少しモルトなテイストで、照りつける夏の日差しの中で飲むよりも春風に吹かれつつゆっくりと飲みたい感じなので、まさに今の季節にはぴったりな飲み物といえる。
 ただ、失敗は1缶しか買ってこなかったことだ。
こんなに口に合うのだったらもう2缶ほど買ってくるべきだったと後から後悔してしまった。

 今回のデイキャンプでは、「安い味付け牛肉を美味しくいただく」という前提がある。
 ではどうやったら美味しく頂けるか?となるのだが、やはりここは手軽に誰でも美味しい焼き肉を味わえる「炭火焼き用のコンロ」に出番となる。
 ただ、この手の商品はどうしてんも大人数用のものが多い。
 そのため、ソロキャンプをする人にはちょっとかさばるので敬遠されてしまうきらいがあった。
 なお、市販の炭火コンロでも小さい商品はいくつかあるが、それでも結構良い値段がついていたりする。
 せっかく、食材を安くしても調理器具でお金がかかってしまっては本末転倒ではないか。
 そこで、ダイソーなどの100均で材料を購入して自作したのがこの炭火焼きコンロなのだ。
 このコンロは、台座の部分と、炭を受ける網ネットの部分、そして焼き網の部分の3つに分かれており、それぞれ105円なので合計315円の激安な炭気焼きコンロになっている。

 ずばり!100均での材料選定は、柔軟な空想力と応用力が試される。
 今回の炭火焼きコンロの台座の部分は、サラダなどを入れるボールなのだが、なぜか角窓が開いていた。
 その形を見たときに、角窓の下の部分に空気が入りやすい穴を3カ所ほどディスクグラインダーで削って開けてやり、煙突効果で炭を燃焼させることを思いついた。
 実際には網があるので側面の角穴は要らないのかもしれないが、ここに割り箸を差してコンロごと持ち上げたりすることも出来るし、なんといっても意匠的な魅力もある。
 このボールの素材がステンレスということも選んだ理由だった。
 常に高温にさらされる部分は、酸化しやすく錆びやすくなるからだ。

 しかし、このコンロ、ソロキャンプ用に小さく作ったおかげで唯一の欠点が1つだけある。
 それは、市販の炭などでは大きすぎて炭と焼き網の距離が近すぎてしまうこと。

 焼き肉は「遠火の強火」がもっとも良いとされる。
 それは遠赤外線で内側からじっくりと焼くためなのだけど、底の浅いこのコンロでは炭を砕いていれないと距離を稼げない。
 そこで、偶然自宅にあったこんな形の炭を使ってみた。

 この炭は数年前に家電量販店で買ったものでなぜか「松下電器製」で、いわゆるパナソニックな炭スティックなのだ。
 ちょうど花のスタンプのような断面で長さが20cmほどあった。
 それをポキポキっと手頃な大きさに折ってコンロの中にいれてみたのだが、これだと炭が細くかさばらないのでなかなか良い感じで焼き網との隙間を稼ぐことができた。

さて、これを熾すわけだが、右の写真のようにアミに炭をいれた状態でそのままストーブで着火させる。
 もともと着火しやすい炭なので1分も乗せておけば充分である。
 アミの利点は意外に熱が全体に伝導しないことで、ストーブの火を止めた後に、アミの周りのリングの部分を軍手をはめた手で簡単に持ち上げることが出来る。
 このアミは小さいながらもちゃんと自立できるように針金のフレームが入っているのでなにかと使い勝手が良い。
 これでももう少し、アミの部分の針金の太さが太ければ耐久性も上がって完璧だったのだが・・。
 まあ、それでも使った後に油を塗っておくなどのメンテナンスをしっかりしておけば1年は保つと思う。
 ダメでも105円で買えるのであまり財布を痛めなくて済む。

使い込んだストーブとビール(のようなもの)絵になる風景だ


自作の炭火焼きコンロ。やはり焼き肉は炭火でないと。

スティックタイプの炭。今は売ってないかも・・・

炭熾しはこんな感じで。火が付けばそのままコンロの台座へ。

まるで、どこかのミサイルのようなたたずまい。でもこれは本当に平和的食欲的利用なのです。

もうもうと白い湯気を上げつつ炊飯をしている最中なのです。



この状態ならば赤子が泣いても蓋などとれません

 少し前に、某国のロケットで大騒ぎだったのだが、まるでソレを彷彿させるかのような炊飯の風景。

 実はこの状態で一生懸命ストーブは炊飯中なのです。
 美味しいご飯を炊くためには重い蓋で釜を閉じ、しっかりを圧力を掛けて加熱するのが良いと聞くので早速水の入ったペットボトルをコッヘルの上に載せてみた。
 実際、コッヘルは気密性がないので蒸気は蓋の隙間からダダ漏れなのであるが、全く効果がないわけでもない。
 実はコッヘルの蓋もアルミ製なので非常に軽い。
 そのため、炊飯時の蒸気で蓋が持ち上がり外れてしまうこともあるのである。
 通常飯盒炊さんでも飯盒の上に石を置いて重しにするが、あれほどインローになっている蓋でも蒸気で開いてしまうのだ。
 なにしろ昔は機関車さえ動かした蒸気である。
侮ることは出来ないのだ。

 この状態で、コッヘル内の水が沸騰するまで一気に加熱する。
 沸騰が始まると蓋の隙間から蒸気が漏れてわかるのだ。
 また、蓋の上にペットボトルを置く利点がもう1つある。
 この状態でペットボトルの蓋の部分に手をかけて少し下に押しつけてやると、コッヘルの内のお湯の沸騰に伴う振動がダイレクトに手に伝わってくるのだ。
 このグツグツという振動を手のひらで感じることができると、その具合からおおよそのコッヘル内の水の残量が判るようになる。
 力強く振動している時は、まだコッヘル内に充分水がある状態で、デンプン化しかなり流動性が悪くなった状態になると、この振動が小さくなってくる。
 そしてその水さえ無くなってくると振動がなくなるのだ。
 その状態で、香ばしい匂いがしばらく続けば炊飯は完了する。

 なお、炊飯中はコッヘルから吹き出した蒸気やお米のゆで汁などが漏れて非常に危険な状態になる。
 そんな時に火加減を調整するレバーへ向けて蒸気などが噴き出してたら、炎の調整も出来なくなる。
 そんなことから、この蒸気の噴き出しとゆで汁の漏れ先には注意してコッヘルの位置を決めていただきたい。

しかし、鋭い読者の方はお気づきだと思うが、実は炭火焼きコンロに火を付けるタイミングが早すぎた・・・。

 すでに炭が白っぽくなってきているのだ。
炭を熾すのは、炊飯が終わって蒸らしの状態から始めたほうが良かったかもしれない・・・。

しかし、後悔先に立たずである。
焼き肉を終えるまでに炭が保ってくれることを祈りたい。

ご飯が炊きあがればこのようにコッヘルをひっくり返して蒸らしの時間に入ります。
こうすることにより、水分量の多いご飯の上の方と少ない下の方が均一に蒸れてくれるのだ。

蒸らしの間は15分くらいならばそのままコッヘルを放置してもご飯は余熱で冷たくならない。
 だからこの時間にオカズや味噌汁を作ると全て熱々な状態で食べることができるのだ。
 さて、これが今回の主役の「牛カルビ焼き肉 インゲン入り」なのです。
 デフレ日本を代表するかのようななんと100g/100円なのだった。
 しかも!これはレジで半額になるので100g/50円なのです。
 すなわち222gなのに111円という破格値。
買った本人もビックリなのでした。

 今回のテーマである「激安!」は、ノンアルコールビールとこの牛肉でわずか239円という金額にかかっているところが大きいのですが、これならワンコインで2回分のデイキャンプをすることが出来るんですね。スゴイ時代になりました。

しかし、この手の味付き牛肉を買ってきて自宅のキッチンでフライパンで調理してその臭さに仰天した経験を持っている読者もいるのではないでしょうか?
 国産和牛などと違い、輸入物で安い牛肉は非常に癖のある匂いの肉汁がでてくるのです。
 もともと豚肉などに比べて匂いのきつい牛肉なので肉質=匂いとなる感じをうけるのです。

 この肉をこのままフライパンで調理してもそのままでは美味しく頂くことはできません。

 そこで、炭気焼きコンロの出番となるわけです。
 炭火焼きの利点として「余分な油や肉汁は適度に落とすことが出来る」ことがあげられますが、まさにこの安い肉を美味しく頂くための絶対条件をこれでクリアできるわけなのです。

 良いお肉=高いお肉は、ミディアムや、ミディアムレアで楽しめますが、そうでも無いお肉=安い肉は通称「肉殺し」といわれるウェルダンで食べるのがそうであるように・・・。

 実際、このように炭火で焼くと思いっきりランクアップした味に変わるので、激安焼き肉は止められなくなるんですね。

こうして肉もいくつか焼き上がり、もういいかな??という頃合いにおもむろにコッヘルをひっくり返して蓋をとり炊きたてのご飯を愛でるわけです。

 炊きたての熱々ご飯。焼けたばかりの適度の油の落ちた牛肉、少しぬるくなってしまったノンアルコールビール。
 目の前には桜が広がり、風も適度に吹いてじつに静かな中で粛々と激安な焼き肉を堪能する宴が始まるのです。


特売の牛カルビの味は・・・・・


炭火で焼いてこそ、この上のクラスと充分戦えるポテンシャルを持つのです。

そしてみんなで集合写真なのです

サービスショット(笑
適度に焼けた赤身はカルビ本来の味、油の多い部分は牛トロのような味、そしてちょっと焦げた所はベーコンの様な味わいになるのでした。

 フライパンで調理したときのおいしさを1とすると、炭火ならば100を超えます。なぜって?それはフライパンで調理しちゃうと実はマイナスだから。

目の前にはこんな感じの風景が広大に広がっています


 BE-PALを読みながら煎れたてのコーヒーをすするまったりとした時間を過ごす。
 読む方に気を取られて冷めたシェラカップに手を伸ばしたら、そこに桜の花片が添えられていた。
山の神のはからいに感謝。
 広大な風景の中で、非常に贅沢な食事をしていると実感できるひととき。
 お店で大金を払い、プロの腕に舌鼓を打つのも良いだろうが、決してお金をかけなくても充分贅沢な食事というものは出来るものなのだなぁと目が覚める思いがする。

 お金を上手に使うことが贅沢なのではなく、時間を上手に使うことが贅沢なのだろう。

 確かにデイキャンプは手間がかかる。
下準備も必要であるし、食事のあとの後片付けも面倒だ。
 しかし、このデイキャンプの充実感を考えればそれは決して手間でも無く、面倒なことでもない。
 楽しむことを実感するためのスパイスみたいなものだ。

 マイクロカーは、車としての装備は決して恵まれているとは言えないけれど、その機動力と省スペース性は他の乗り物ではナカナカ真似の出来ない特長だ。

 まず、エアコンが無いために季節の移り変わりを肌で実感することができる。
 そして、パワーが無いために路面の起伏を実感出来る。これはもう、エンジンの付いた体でジョギングしている感覚に近い。

 今の世の中は全てが他人任せでオートマチックに出来ていて、「実感=リアル」が非常に希薄な感じがあるが、マイクロカー乗りの皆さんは是非ともこの春にこんな「リアル」を味わって頂きたい。

 それは実に簡単なことだ。
今すぐ、マイクロカーのエンジンを掛ければいいのだから。